観るものと、生活の日記

「DAISY PULLS IT OFF」

「DAISY PULLS IT OFF」 Assamキャスト
★★★★

於:東京芸術劇場小ホール1 2003年12月27日13時 F列
(東京公演のみ 2003年12月20日~2004年1月7日)

原作戯曲:DENIS DEEGAN 上演台本・演出:倉田淳


出演

    Assamキャスト Darjeelingキャスト
デイジー・メレディス 舟見和利 川原田樹(客演)
トリクシー・マーティン 奥田努 深山洋貴
シビル・バーリントン 笠原浩夫 山*崎康一
モニカ・スミザーズ 石飛幸治 楢原秀佳
クレア・バーモント 内山翔人(客演) 佐野孝治
アリス・フィッツパトリック 寺岡哲 篠田仁志
ベリンダ・マシソン 牧島進一
ドーラ・ジョンストン 上村光平(客演)
ウィニー・アーヴィング 萬代慶太
ミス・ギブソン 倉本徹
ミス・グランヴィル 楢原秀佳 石飛幸治
マドモアゼル 下井顕太郎
デイジーの母 楢原秀佳 石飛幸治
ミスター・トンプソン 藤原啓児
スコブロウスキー先生 河内喜一朗
*字違い


*感想*

出演者の多くが女性役というのは珍しいことだそうですね。
「女学校が舞台なんてどんなことになっちゃうのだろう?」
「今時"意地悪で裕福な美人”が出てくる話って面白いんだろうか?」と
半ば楽しみ半ば不安(笑)のまま初のStudioLife東京遠征しました。

観たのはAssamのみ。「LILIES」であんなに「Wキャスト観たかったわ」と思ったけれど、
最初は観た日に帰る予定だったので時間的に仕方なく。
ところが結局1日延ばしたので、どちらも観られたんですよね。
楢原さんはAssamでも2役するみたいだし、シビルも笠原さんだしAssamだけで
大丈夫…じゃないかな?と思ったのがまたまた間違いでした。
楢原さんのメインはやはりDarjeelingのモニカだったようだし、他方のキャストにも
違う役でちょこちょこっと出演し合うなんて知ると、またまた「両方観たかった~」と思う結果となりました。

○お話+全体○

全体には、とても笑えて楽しめました。丁度「明るいものが観たいな~」
と思ってたので、一緒になって楽しめるような芝居でホントよかったです。
特に小劇場は暗いものが多いようで、それがいい時もあるけど、
続くと辛いので、時々はこういうのが観たくなります。
舞台と通路を駆使して一体感があり「生の楽しさ」を十分堪能できました。
過去のTheOtherLifeもきっと面白かったに違いないと思えました。

これは筋より役者さんと演出のおかげで面白かったのだという気がしました。
お話自体は、ちょっと古い児童小説みたいな感じで。生徒達も言動がおさなくて可愛らしいため
12、3歳くらいかなぁと思っていたら何と高校生だったとは。
普通に演じてもそう笑えるお話だとは思えないので本場ではどういう人が演じて、
どの辺りで笑わせているのか、ちょっと一度(翻訳付きで)観てみたいものです。

場内をドタドタとかけまわったり、役者さん自身が
考えたらしいネタとかアドリブのようなセリフとか…面白かった。

最初ドアがどんどん開いて、通路に女装した役者さんがぞろぞろ笑顔で出てきた
時は目がテンになってたと思います。
運良く1人の女子生徒に話しかけられたのですけど、固まったまま
笑顔でうなずくのが精一杯で、何と言われたのかも(考えたらあれ「おばさま」などと
言われてるんでしたっけ?)どの役者さんだったのかさえよく分からなかったという。
割と背が高く、染めた髪を後ろで短く二つに分けて結んでいる人でしたが(多分)
今から思うと牧島さんでしょうか。当時特にフレッシュさんはあんまり
判別つかなかったので…。

[もぎり]
役者さんがチケットをもぎっている可能性が高いときいて、実際回によって
色んな役者さんがもぎっておられたようですが…。
私はまだ役者さんの顔をろくに覚えてなかったため、よく分かりませんでした(笑)
役者さんっぽい人だったのですが、私が「萬代さんに似ている」と
言うと、一緒に観た姉は「下井さんに髪型が似ていた」と言うけれど、お二人とも
出演しているから違うだろうし、結局「役者さんっぽい若いスタッフ」と
思うことにしましたが、どうだったのでしょう。

○役者さんごと○

<笠原シビル>
一番面白かったです。シリアスもコメディも両方いけるんですね笠原兄さんは。
サービス精神旺盛な感じ。「意地悪で裕福な美人」にしては何をしても劣等生という(笑)
意地悪というよりモニカと二人やや怪しげなおねーさんになってました。
ずっとオカシくて、中でも夜の学校(通路)を徘徊しながら客席に向かって
「すごく人の気配がする!」「恐ろしい~」などと言ってたのが一番すき。

<石飛モニカ>
いつもニコニコ笑ってシビルと悪巧み。一緒に観てた姉に言わせると
「合唱のとき一番歌が上手かった」そうで。気付かなかった…。
デイジーかトリクシーに「化け物よ!」って言われてしまいましたね(笑)。

<舟見デイジー>
元気で楽しそうでかわいらしい女子生徒。何でもできるし何やっても誉められる ので、
さらにシビルたちの反感を買っちゃう優等生。でも「あなた犬に似てるわね」と
言われても、次の場面で「キツネ女」とか言ってるし、ふくれられたら
ふくれかえすし、負けてません。

<奥田トリクシー>
同じく見事に女子生徒。「LILIES」ん時は「あら?」と思ってたけど、今回は
随分上手く感じました。友達思いで気のいい少女そのもの。牛のぬいぐるみで
「メエエ」と鳴いてみせるユーモアが(で、「分かった!ウサギさん」とか返されてしまう…。)
素敵です。

<内山クレア>
役者さんをまだよく覚えてなかった私始め「小野さん?」かと思ってました。客演の人でしたね。
上手いしきれいだし、また随分いい先輩な役ですね。周りとも馴染んでいてよかったです。

<寺岡アリス>
クレアと一緒に通路をどかどか走ったり、なぜか運動しながら喋ってたスポーツ
少女ぶりが記憶に残ってます。一番見た目はそのままで作ってませんでした。

<牧島ベリンダ>
ごめんなさい、よく覚えてないんです;多分PTAな客として話し掛けてもらったはずが。

<上村ドーラ>
この人も客演ですか。しかも実際17歳くらい?見た目は可愛らしいのですが、
なぜ客演として呼ばれたのかは、悪いですけどちょっと不思議でした。

<萬代ウィニー>
地毛で編み込みにしていた、という記憶が。それだけです。ごめんなさい;

<倉本校長>
倉本さん始めて見ました。生徒を前にしてやけに吹き出しぎみだったのは実際見てて
笑えるものがあったんでしょうか?不思議な印象。どんどんつっぱしりそうな
気配でしたが、最後しんみりと語りかけてしめるところに貫禄を感じました。

<楢原グランヴィル>
よく見てたら喋り方やちょっとしたしぐさ一つとってもすごくリアル。
コメディなのでもっと「どこが女性教師やねん」とつっこめる役づくりでも
よかったかもしれませんが、さすがだと思いました。うう、楢原モニカも見たかったことです。

<下井マドモアゼル>
フランス語の先生でしたっけ。当時のフレッシュで唯一判別のついた人。
なかなか上手いし、フレッシュの中で1人教師役というのも納得がいき、素敵でした。

<楢原デイジー母親>
いつもデイジーを思いやってそうなお母さんぶりでした。

<藤原トンプソン>
中盤まで河内さんが2役でしてるんだと思ってた私…。場内整理の時もスタッフの
人かと。トーマの心臓ん時と雰囲気違ったので。直前までスタッフをして登場とは大変なんでは?
つっかえてしまったのもそのせいじゃないか、と勝手に思ってました。

<河内スコブロウスキー>
野太い歌声のデイジーをほめちぎる謎の先生。そんな先生に音痴だと言われたら
そりゃシビルも怒るでしょう(笑)。
善人なのと怪しげなのが混ざっててぴったりな役どころだと思いました。



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